日本シリーズ第1戦 巨人○2-0●楽天

やあ、勝ったよ。まるで勝ったような気がしないけど、巨人が勝った。本当によかった。


表面的なところだけ見れば、巨人が勝ったとは思えないくらいだ。


則本は、剛速球の伸び・多彩な変化球のキレともにも良く、三振やポップフライを繰り返す巨人打線にとってはほとんど手が付けられないように見えた。
一方の内海もスコット鉄太朗も、楽天の打者相手に毎度粘られ、毎回のように複数のランナーを出し、得点されそうになった場面も1度や2度ではない。


しかし、終わってみれば、先制したのは巨人打線であり、巨人投手陣がその少ない得点を守りきり、シーズン通りの「勝ちパターン」である先行逃げ切りを成し遂げた。
逆に、楽天は、要所で中軸に後1本が出ず、守備陣の一瞬のほころびををきっかけに、則本が数少ないピンチを守れず、敗戦となった。



セ・リーグの巨人が危なっかしくも王者の野球で先勝。すっごくハッピー。


そんな試合を巨人ファン目線で振り返ってみましょう(ぅ・ω・)ぅ

まずは、ランナーを出しながらも持ち前の粘りで誰一人としてホームに帰さずゲームを作るという役割を全うした内海。
AJとマギーへの序盤の逃げっぷりには、去年の中日とのCSでの対ブランコ配球を思い出して頭がくらくらしたけど、要所で三球三振に抑えるあたりはさすが(最初からそれをやってくれというのはダメな願いなのか)


守備にも大いに助けられたところがあった。
寺内と亀井はポジショニングも良かった。
寺内は、ほとんどのゴロが正面に飛んでくるところにいつもいて、無難に捌いていた。最後のゲームセットの打球処理も見事。セカンドが脇谷や藤村ではなく寺内で本当によかった(西村劇場のあれだけ除けば)。
亀井は、きわどいレフトライナーを難なく候補できる場所にいたし、何よりも抜ければ同点と言う大飛球を好捕するスーパーファインプレイ。


忘れてはいけないロペスも、ゴロの好捕連発に、5回の守備では松井を3塁で刺す好判断。


あの5回のバスターエンドランはかなり焦ったけど、原さんが「わが軍にツキがあった」と言った通り、本来は投げてはいけないはずの坂本の送球が、“幸運にも”本塁側にそれたおかげで、ロペスが前に出て捕球し、セカンドランナーの松井をアウトにするチャンスを呼び込んだ。
普通ならミスだったはずのものが、相手の逆転の目を潰すスーパープレイになったという意味で、シリーズの行方を左右するワンプレーだったと言えるかもしれない。


シリーズの行方を左右すると言えば、前述の8回裏の亀井のフェンス際のジャンピングキャッチは本当にすごかった。打球を見た瞬間、頭の中は既に2−3になっていた。
あのプレーで山口も巨人もどれだけ救われたかわからない。


先制点につながる二塁打まで放った亀井からは、いわゆるシリーズ男の気配まで漂ってきた。
(反対に、アンラッキー連発松井稼は逆シリーズ男かもしれない)



打撃陣は、則本に翻弄されながらも、数少ないチャンスを活かして2得点。
則本はランナーを出すとちょっと危なっかしくなるね。2回は坂本のヒットからピンチを招いたし、5回もエラーから悪い流れを止められず先制を許した(このエラーも巨人には幸運だった)。
もう一度このシリーズで則本にあたるとしたら、「まず1人でて、ワインドアップで気持ちよく投げさせない」ことが最大の攻略法になるだろう。


長野に打たれた外角直球は、どうしてスライダーかフォークじゃなかったのか気になる(巨人にとっては大助かりだったけど)。ここまで巨人打線を封じこめていた則本にしては不思議なくらい甘めのボールだった。
でもそこは、その甘いところをを逃さなかった我が巨人軍の年間最多安打男を褒めましょう(ぅ´∀`)ぅ



さらに、喉から手が出るほどほしかった追加点は、ここまでチャンスで凡退を繰り返していた村田のホームラン。
深夜に見た「すぽると!」で、解説の石井一久「(このホームランは)則本は直前の阿部への直球に酔いすぎた。『ここはオレがやってやる』という気持ちが出すぎた」ためだなんて言ってたけど、確かに石井の言うとおり、阿部の完全に封じ込めた後、「俺が俺が」とストライクの直球での勝負を急ぎ過ぎてる雰囲気が、テレビの画面からも伝わってきていた。


そんな則本の「若さ」を見事にホームランという形で打ち砕いた村田。さすがストレートに強い。
打った後、すごくうれしそうな顔をしていて、みているこっちも嬉しかった。


そういえば再三の紹介で恐縮だが、あの亀井のスーパープレイも、このホームランで2点差になったおかげで、同点阻止の長打警戒で外野手がうしろに下がっていたために生まれたものなのだから、「攻撃は最大の防御」だなんて格言を思い出さずには言られない。



さて、巨人は最後はシーズン通り内海を6回で下げ、スコット鉄太朗を投入。
「巨人は、この3人で日本シリーズも勝つぜ!」という継投。
内海はまだ投げられただろうけど、この3人の力なくしては日本シリーズは取れないので、この3人で勝つ形をまずつくろう。その意味では間違ってない
内海は85球しか投げずに中4日で第5戦を迎えられるのだし、これでいい。


・・・いいんだけど、鉄壁のスコット鉄太朗がこれまたランナーをふたりずつ出すヒヤヒヤの展開。
マシソンは粘られてかなりの球数を投げさせられ、山口はあわや同点かという大飛球を打たれ、西村は寺内のアシストも加わっていつも通りの劇場。


彼らは登板間隔が開いたから試合勘が鈍っていただけだと信じたい。
日本シリーズだし、そうそう簡単に抑えさせてはくれないだろうけど、それでもこの3人がいつまでもバタバタしてると巨人はキツイ。
ひょっとすると楽天をまねて、内海や菅野ら先発投手陣をリリーフで使う場面が出てくるかもしれない。



さて、本日がこのシリーズ最大の山場。無敗男・田中マー君の登場である。
好機は則本より少ないだろう。そのチャンスでしっかり点を取れるかどうか。
まるで打てそうにない寺内を8番に下げ、シーズンでもあったようにラッキーマン・亀井を2番に据えるのはどうだろか?


今日田中に勝てたら、それだけでこのシリーズは勝ったと言っていい。
CSでマエケンに投げ勝った菅野に賭けたい。大事なのは簡単に先制を許さないこと。



それにしても昨日は見ていて本当に疲れた。緊張の連続、しんどい試合だった。観終わった後、15分くらい椅子から立ち上がれませんでした。


見ごたえのある、充実したシリーズになりそうだ。



P.S.どうでもいいけど、日本シリーズの途中で流れた要潤のホクトのCMが完全にアウト。