「カラマーゾフの兄弟」4話

のっけから、紅茶に砂糖で「トルコ人はすこぶる甘いもの好きだってね」を思い出しました(



優男・涼の本領発揮。かわいくってキュンキュンです(ぇ これは確かに女性に人気なのもわかる。なんだか守ってあげたくなるような男の子です(キモイからやめろ



今週は涼の回と言うことで、前回のようなあまりにショッキングな内容はなく、刑事の取り調べもずっと穏やかですし、文蔵の外道ぶりもあまり叫ぶシーンがないからか若干ですが控えめに感じます(文蔵のはあくまで前2回に比べれば、の話。今回も勿論十分に外道です)。



今回のキーワードの「涼の殺意」はやっぱりこう持ってきたか…というかこう持ってくるしかないのか。
涼の優しさや不条理に対する正義感の裏っ側から芽生えた殺意。


「いなくなるべき人は他にいるのに…」


この台詞は、涼の口からは聴きたくなかった・・・!
その直前の、「人に尽くす温かい人はいなくなって、助けたい人は助けられなくて…」という嘆き節は、きっとアリョーシャでもいうだろうけど、そっから先は多分アリョーシャは言わないだろうと思うだけに余計。


いや、第2部で皇帝暗殺を画策する(とされている)アリョーシャもそういう殺意を持っていたのかな・・・?


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ドラマ版アリョーシャこと涼は、あくどい商売を続けてきた黒澤文蔵という父に育てられたにも関わらず、母親・詩織の血を充分に受け継いだためか優しい好青年に育ちました。


しかし、そこは“カラマーゾフ”もとい“黒澤”です。
涼も、詩織の血と同時に強欲の塊とでもいうべき文蔵の血も流れています。


涼が持つ「人間同士が争うことや傷つけあう現実」への恐れは、文蔵の背中を見て育ったことに加え、涼自身も“黒澤的な”部分を持ち合わせていることを内心自覚していることからくるのでしょう。
園田の言葉を借りれば、「人間同士が争うことや傷つけあうこと」を引き起こす「種」です。


涼はそんな“黒澤的な”部分のある自分を信じられず、そして、自分の中の“黒澤的な”部分に向き合うことを避けて生きてきました。


文蔵の呪縛から逃れようとした二人の兄とは違い、文蔵の悪行を真正面から嫌悪せずに「文蔵に従順でいること」がふたりの兄がいなくなった後に黒澤家に残った涼なりの防御手段だったのかもしれません。


(涼がそのように常に優しくかつ文蔵に従順であったからこそ、文蔵も満や勲に対するときとは違って、涼に対してはちょっと柔らかめなのでしょう。けど、ちゃっかり「早く医者になって俺の役に立て」とか勲にも言ってたようなことを言ってます(笑) でも、文蔵残念、あんたが死んでも涼は泣いてくれなかったよ)



第4話タイトルの「奪われた我」とはそういうことで、だからこそ、尊敬する園田の作った紙飛行機のように「自分の意思でどこでも行ける」ことに憧れを抱くのでしょう。


親戚ポレーノフの家で育てられたためにフョードルから離れていた上に、ちょっとした神秘性まで帯びているアリョーシャに比べて、ずっとあんな家庭にいた涼が何であんなに草食系な(笑)いい子に育った理由をどう設定するのか不思議だったんですが、自分の中ではとりあえずそう考えることにしました。



さて、園田の言葉通り、「人間同士が争うことや傷つけあうこと」を引き起こす種を持っている自分に対する不信をずっと抱いてきた涼。
その種がついに萌芽しました。



「人は自分が何者であるかを知って、社会や他者と向きあえるようになる」
「恐れずに、自分自身と、家族と、向き合ってみろ。大丈夫、君なら強くて思いやりのある立派な男になれる」


果たして勝つのは、ゾシマ園田のこの遺言か、それとも涼に芽生えた文蔵への殺意なのか。
アリョーシャならともかくですが、このドラマではいかなる結末になるのでしょうか。
原作では超重要な人物でありながら、ドラマでは1話限りの活躍でぽっくり逝ってしまった園田さんが残した言葉が、後々までこのドラマにとって象徴的なものになりますように。




さて、ここまでの4話で、各人物関係、そして、3兄弟それぞれの殺意が明らかになりました。
次回から第2章突入です。
ついに文蔵が殺害され、小栗が何者かに殴られて倒れています。第一発見者は涼。
ここから本格的にこのドラマも動き出すのでしょう。


公式サイトのあらすじ「5話 剥かれる仮面」の次回予告で一番気になるのは、


「その夜、涼が誰もいない勲の部屋に入ると、机の上に原稿用紙があった。その内容を見てショックを受ける涼。と、そのとき勲が部屋に戻ってきた・・・」


これは…ひょっとするとついに「大審問官」でしょうか、それとも単に勲が刑事にちゃっかり読まれちゃったあの小説でしょうか。
どちらにしても涼には衝撃ですが。


次回予告映像の

勲「早く答えを出せ!もう待てないぞ!」
涼「…この手で殺してやる!」
勲「それが答えなんだよ・・・!」

イヴァン「道徳的感情を満足さすためには、銃殺にでも処すべきかね? 言ってごらん、アリョーシャ!」
アリョーシャ「銃殺に処すべきです!」
イヴァン「ブラーヴォ!(中略)そらね、お前の胸の中にも、そんな悪魔の卵が潜んでいるじゃないか、え、アリョーシカ・カラマーゾフ君!」

へのリンクなのは間違いないでしょう。



ところで、2/5(火)の深夜に、ここまでの総集編が放送されるようです。第2章に向けて、こちらもお見逃しなく。
今のところ謎に包まれている勲と涼の母・詩織の自殺の理由に注意しながら今後も見ていきたいと思います。


P.S.1.もう「バカリーズムの兄弟」のCMが始まるだけで笑ってしまう(笑) 脚を組む動作で笑ってしまった(笑)
次回はついに二男登場とのこと(笑)


P.S.2.明日は、ださいたまスーパーアリーナでドリカムのコンサートだが、まるでモードに入ってない件(