ドラマ「カラマーゾフの兄弟」第1話(ぅ・ω・)ぅ

第1話で描かれたのは、物語の導入部。
登場人物の人となりや、登場人物同士の関係。
刑事が3兄弟相手に取り調べ行う場面と、黒澤文蔵と3兄弟を取り巻く回想場面が交互に入れ替わる物語の構成。刑事役の人の笑顔が怖い(笑)


原作から引用されるエピソードで主なものは、フョードルの食卓へのドミートリーの乱入、アリョーシャとイリューシャの出会い、フョードルの差し金でドミートリーの前に現れたグルーシェニカ、アリョーシャがゾシマからかなり見込まれていること…等。



まずは、吉田鋼太郎さんのフョードルこと文蔵がハマり役です。
サイテーの親父役がサイコーです(笑) この人のことがめちゃくちゃ嫌いになりました(笑)←褒め言葉です(笑)



3兄弟はいずれもいい感じ。


市原イワン・勲が思ってたよりうまい。少しキザだけど、ニヒルでかっこいい。このイワンはあり!

このドラマ独特の勲と文蔵の関係には要注目。
表向きは父を尊敬しているふりして、内心めっちゃ嫌っている。ストレスで左肩がやばいくらい。そこは傍目には仲良くしているように見えるけど、本心はものすごくフョードルを軽蔑している原作のイワンにかぶせている。
ただし、1人でずっと自分の食い扶持を稼いでいた原作のイワンと違って、今回の勲は弁護士になるためにだいぶ文蔵から援助を受けたらしい。
それによって勲は文蔵の言うことを聞かざるを得ない…と、て文蔵は勲に対する一種の支配関係を持っている。ここは原作と違う点なのでちょっと注意。


また、フョードルが自分の取引先との交渉をイワンに依頼するのは原作通りだけど、それはイワンがチェルマシニャーに向かうことではなく、文蔵の会社の下請けの杉卓工務店とのトラブル解消のため。


杉卓工務店の「杉卓」・・・とは多分スネリギョフをもじったものなのでしょう。
ドラマのスネリギョフこと杉卓はドミートリーに凹られるんじゃなくて、文蔵に恨みがある。「黒澤」の名に反応して涼の手に噛みついた高貴な心をもった少年イリューシャは、自分の父親とトラブルっている黒澤をよくおもっていない。
この文蔵と杉卓の間に弁護士・勲が介入・・・と、ここはドラマ風のリメイクかな。



少し弱弱しい印象もあるけど、遣都アリョーシャ・涼も優しそうな人柄を醸し出している。
原作のフョードルとアリョーシャの関係のように、文蔵が涼だけ特別に心を開いているわけでも、涼が純粋に文蔵を好いているわけでもないようだけれど。
ゾシマこと園田教授の活躍にも期待です。



ただ、適当な出まかせを言って同棲相手に遊ぶ金をせびるわ、つまらない投資話にのせられて借金こさえるわ、借金取りに凹られるわ、文蔵を凹れないわ…と、少し心配していた通り斎藤ドミートリー・満がちょっとしょーもないヤンキー気味(笑)
ドミートリーはもっと腕っぷしも強くて気高い精神の持ち主な人だと思っているのだけど…斎藤工さんは雰囲気はあるけど、原作のドミートリーを考えると少しナヨいかな。
原作のドミートリーもお金と女性に関してはかなりしょーもない人だけど(笑) 
ドミートリーがバーを経営する夢を語る…のはなんだか違和感あるけど、今のところあまり気にしないでおくかな(笑)


あとは、

●勲と涼の母親・詩織の自殺の原因(原作ではソフィヤの死因は不明)
●母親の自殺現場を見た幼いころの勲のトラウマと、現在の左肩痛の関係
●涼が精神科への希望を口にしたときに顔を見合わせた満と勲の反応、勲が発した「まだ決めるのは早いんじゃないか?」という言葉。
●原作の「大審問官」とは全く違いそうな勲の書く小説・・・というかその趣味はみんな知ってるのかな? 満からキモイとか言われてた(ぅ;^ ^)ぅ

などの伏線にも注目です。


ドラマ版「カラマーゾフの兄弟」、今後が楽しみなスタートだと思います。



しかし、心配なのは、スメルジャコフの影が薄いこと。めっちゃチョイ役( この作品では、こいつは真犯人じゃないのか?(


P.S.細かいとこだけど、母親死亡時のアリョーシャの年齢がちょっと違う。原作では4歳だが、こっちでは2歳。どうでもいいかもしれないけど。

P.S.2.「バカリーズムの兄弟」が面白かった(笑)